生命保険金の請求手続について
相続人が生命保険金を受け取ることはよくある事例ですが、生命保険金を請求する手続も、生命保険金の受取人が誰になっているかで相続の上で大きな差異を生じ、また、請求用紙の内容も難しく理解するのが大変です。
今回は、生命保険金の請求における手続きについてご説明します。なお、保険金の取り扱いについては適用される法律や事例(裁判)により様々です。ここでは、民法における通説的解釈を基本として説明をさせていただきます。
1.受取人を指定していた場合
例えば、夫が生前に妻または子を保険金受取人として指定していた場合、妻や子の有する保険金請求権は、当初から保険契約に基づいて定められているものなので、相続によって取得するものではありません。よって、保険金は遺産のなかには入りません。この場合、保険会社に死亡の連絡を入れると保険会社から、請求時に必要な書類の案内があり、それに従って手続きをすれば、通常1週間から2週間ほどで保険金が振り込まれます。
一般的に必要な書類は、保険証券、保険会社指定の保険請求書、死亡証明書、被保険者の除籍謄本、受取人の戸籍謄本・印鑑証明書などです。また、勤務先が団体生命保険に加入している場合は、勤務先を通じて保険会社に提出します。
2.受取人を指定していなかった場合
例えば、夫が生前に自分を保険金受取人として指定していた場合、相続人である妻と子は、夫(被相続人)の保険金請求権を相続よって取得することになるので、保険金は遺産の一部となり、相続人全員が相続するか、遺産分割協議によって取得する相続人を決定することとなります。この場合に保険金請求のために必要となる書類は、保険証券、保険会社指定の保険請求書、被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・原戸籍、相続人全員の戸籍・印鑑証明書などです。
3.時効による請求権の消滅について
保険会社は、保険金の受取人から連絡がない限り、被保険者の亡くなった事実をつかめません。したがって、連絡しなければ保険金も支払われません。保険金等の支払や保険料の払込免除請求をする権利は、それらの支払事由または免除事由が発生した時から3年を過ぎると、時効によって消滅します。
4.共済保険の場合
共済の保険の場合も、生命保険とほぼ同じ扱いとされています。加入されている共済組合に連絡して手続を進めることになります。
5.住宅ローンの生命保険
住宅ローンに団体信用の生命保険が付いていた場合、借入者が亡くなったことによる生命保険金で残債務が支払われ、住宅ローンが残ることはありません。この際に注意しなければならないことは、生命保険は死亡と同時に請求権が発生するので、死亡の日から請求した日までの期間に支払われたローンは返還請求できることです。
手続については、借入先の金融機関で確認することになります。
生命保険の手続は簡単なようで難しいものです。死亡した方が、契約者なのか?被保険者なのか?受取人なのか?により手続の内容が変わってきます。生命保険会社の担当者の話を落ち着いて聞き、わからないことを一つずつ確認していかなければ、思わぬ苦労をすることになるかもしれません。









